夢と睡眠と記憶のリンク2

通常の生活では最近体験したことを忘れることは少ないのに、ほとんどの夢はすぐに忘れてしまう。

夢を覚えるようになってしまうと、現実との区別が付きにくくなってしまうため、夢の記憶を残さないようにしていると考えらえます。前回参照

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今回もまた夢についてのお話です。

 

夢を忘れるのは脳の負荷を減らすために不必要な情報を処理するためであり、夢は記憶しておく必要がないものだということは間違いのないことのようです。

また、夢から覚めたばかりのときは、記憶をつかさどる海馬がまだ目覚めていない状態ですので、夢の内容を記憶に残すことが難しいのではないかとも言われてもいます。

それでも目が覚めた時に夢を覚えていることがあります。楽しい夢を見て目覚めた時は、楽しい気分が残っていることもあり、もし見る夢を自分で選べたら、と思ったことはないでしょうか。

もちろん結論から言うとそれは不可能なのですが、見ている夢をある程度コントロールすることは可能であるようです。

 

2017年にオーストラリア アデレード大学の研究チームが、夢を見ているときにそれが夢であると認識できる明晰夢の状況を意図的に作り出す方法を発見したと発表しました。そうすることで、夢を見ている本人自身がランダムに創りだされた夢の世界をある程度コントロールできるそうです。

 

研究の内容は、5時間の睡眠の後に短時間だけ目を覚まして、また眠りにつかせるというものです。これは、夢が発生する可能性を高くするためです。

そして、再度眠りにつくときに「次に夢を見るときは、自分は夢のなかにいる—」と思いながらまた睡眠に戻ります。

夢の中に戻ってもそれが夢であることを自覚でき、ある程度その内容をコントロールできるようになったという結果が出ています。

 

この明晰夢の研究結果で、悪夢障害の治療などに向けた開発が期待されるとデンホルム・アスピー博士は言っています。

**Dr Denholm Aspy’s research in the University of Adelaide’s School of Psychology

ちなみに統合失調症のような心因性障害や、心理的トラウマ、またナルコレプシーのような睡眠障害がある人たちは、明晰夢のなかでネガティヴな経験に繋がることもあるので、自覚のある人たちはくれぐれも明晰夢テクニックを試さないでほしいと、アスピー博士は注意を呼びかけています。

 

明晰夢とは、夢の見かたをコントロールして夢を自分の味方つけて自己能力を上げていく方法の糸口です。

By Dr Denholm Aspy