自律神経失調症はバランスの崩れた状態

心臓の動きや胃腸の働きを自分の意志でコントロールすることはできません。このように、自分の意志では動かせない神経が自律神経です。自律神経は、24時間休みなく働きます。その働きのおかげで睡眠中も心拍や呼吸が止まることはなく、日々の活動に必要な準備を整えながら過ごすことができます。

体温調節を行うのも自律神経の仕事です。これが乱れると必要以上の汗が出たり、反対に汗をかけなくなったり、冷えやのぼせ、ドライアイやドライマウスなどの様々な症状がおこるようになります。

自律神経失調症は、この自律神経のバランスが崩れてしまいつらい症状が認められていることを指します。ですから、「病名」というよりは「状態」になります。

日本心身医学会では、自律神経失調症を以下のように定義しています。

 

これらを満たすような状態のことを自律神経失調症としています。

ですが自律神経失調症という診断は、実際にはもっと広く使われています。

例えば、診断がはっきりつけられない場合、患者さんを守る場合などです。

後者については、患者さんが社会的に不利にならないように、

世間では優しいイメージの自律神経失調症として重度のうつや神経症になる前に適切な治療をするためです。

また症状があるのに明確に診断されないと、患者さん自身が不安になってしまうため、安心するために診断名をつけるという理由でもあります。

また、自律神経失調症は、体に症状が現れるため病気として治療されていることも少なくありません。

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これらの体の病気と診断されている方は、本来は心身の両面から治療を考えていくことが必要だといえます。

 

自律神経失調症の原因として、ストレス、生活習慣の乱れが大きな原因と言われています。そして、治療に使われる薬は脳の中枢神経に作用し、不安や緊張を和らげるものとして、抗不安薬(精神安定剤)・抗うつ剤・睡眠薬などが使われます。

 

自律神経失調症の原因、治療法は睡眠障害の場合と共通しています。

つまり、

「自律神経が乱れた状態を、自律神経失調症と診断」言い換えると、「睡眠不足や質の低下により自律神経が乱れた状態になり自律神経失調症を引き起こした」

と言えるのではないでしょうか。

実際に原因が睡眠の問題だけとは断定できませんが、治療には睡眠を中心とした生活リズムを整える生活療法も取り入れられ、睡眠が自律神経を整えることは間違いありません。

実際に自律神経失調症と診断された人の大半が冷え性で、その冷え性により睡眠の質が低下し自律神経の乱れを悪化させたことが原因です。

 

「睡眠は生命活動の基盤」

質の良い睡眠をしっかりとること、これは私たちが生きるためには絶対に欠かせない非常に重要な、生命維持に関わる大切なことです。睡眠習慣の乱れが体のリズムを狂わせ始めます。それが、自律神経のバランスを崩しこころや体に不調サインがでてくるのです。